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【大貝獣物語】 番外編 グジュー ヒロイン説 その3

ラストダンジョンの海底基地ではもちろん、グジュー及びギャブ・ファーとの決着をつけることになります。
海底基地に潜入すると、ギャブ・ファーとグジューの会話が映し出され、そこでは彼女が人間の意志の強さに対して、生物としての本能の恐れ(畏れ?)、主人公達と戦うこと自体に対する戸惑いを感じているのが描かれています
ダンジョンを奥まで進み、グジューとは最後の部屋を目前にして戦うことになります。

グジューを倒した後、彼女は主人公たちに「私を殺せ!」と言います。
しかし主人公は、黙ったまま何もしません。
そんな主人公に対してグジューは、勢いもあるのでしょうが、まるで煽る様に、何かを確かめるかのように問いかけ、叫びます。
「私が憎くないの?」「このままだと、また逃げるわよ?」
それでも主人公は何もしません。
結局グジューは、またギャブ・ファーの元へ逃げてしまうのですが、逃げ去る直前に
「命が惜しかったら、この先には来るな」と言い残します。
ほとんどもう、今でいう「ツンデレ」です。

逃げ帰った先で、グジューは父であるギャブ・ファーに訴えます。
どうしても、彼等と戦わねばならないのか。
今からでもやめるわけにはいかないのか。
自分は少しだけ、本当の力というものが解った気がする。
自分たちが今まで絶対とし、他の星を侵略してきた「支配のみに頼る力」では、それはまたより大きな力に倒されてしまうだけ。それでは人間たちの「意思の力」には勝てないと。

今まで彼女の中で育っていた疑問、自分が本当は何を望んでいるのか。
グジューはそれを、もう一度主人公たちと触れ合ったことによって、ややたどたどしくも悟り始め、それを父であるギャブ・ファーに訴えます。

ここでのグジューはもうほとんど主人公たちの側に傾いていて、戦いたくないと言いつつも、まだあちら側に立っています。
それは、自分の種族と父であるギャブ・ファーの身を案じているからです。
しかしギャブ・ファーは、自分の種族に相反する思想を持ったグジューを、単なる「役立たず」と判断し実の娘をためらいなく攻撃して排除しようとします。
なぜなら彼にとって一番大事なのは「自らの種族を繁栄させ他の種を支配すること」だからです。
その目的のもとに、彼は弱肉強食の理論を振りかざし、他の星を侵略してきました。
そこには「情」といったものは存在しません。
だからその障害となるもの・役に立たないものは、排除すべき対象に過ぎず、それは実の娘でも例外ではなかったのです。
その事をグジューは、彼女自身の性質からか、理解しているようで理解できていなかったのでしょう。
「お父様・・・娘の私を・・・ひ、ひどい・・・」と言ってその場に倒れてしまいます。

そして主人公達は最後の部屋に辿り着き、最終決戦となります。
ここでのグジューはもうほとんど死にかけていて、途切れ途切れに自分の思いを打ち明けます。

今なら分かる気がする。人間達の力の源が。
今度生まれ変わったら、あんたたちの仲間に生まれたい・・・

その最中、自分もろとも主人公を攻撃しようとしたギャブ・ファーから主人公を庇い、グジューは息絶えます。

あなたに会えてよかった
私、あなたのことがようやく少し、好きなりそうだったのに

・・・そう言い残して。

他に、グジューの最期の言葉の中に
「これでもうひとりぼっちじゃないね・・・・」という言葉があります。
これは何を意味するのでしょうか?

「ひとりぼっち・・・」この言葉は、彼女がクシューラである時にも、彼女の口から聞くことができます。
物語の序盤から中盤にかけてのある街で、ある家で奴隷のような扱いを受けているクシューラを助けるイベントがあります。
クシューラを助けると、彼女は主人公にお礼を言ったあと、言います。

あなたも私と同じでひとりぼっちなんでしょ?

ここでの言葉は、たったひとりで知らない世界に召喚された主人公と、記憶を無くして彷徨う自分を重ねてのものなのですが、彼女が記憶を失くしていることは演技でしかないのに、なぜこんなことを彼に言ったのでしょうか?
ここでだけの言葉なら、単なる演技の一つとともとれますが。それは先に書いたとおり。決してそうではないでしょう。

クシューラ・・・グジューには、父親をはじめとした同じ種族の仲間が沢山います。それこそ星ひとつを侵略できるくらいの。
しかも彼女はその中で、実質No.2とも言うべき立場です。
その彼女のいう「ひとりぼっち」とは・・・

先の文章では「シェルドラド」に降り立った時から。と書きましたが、本当はそれよりもずっと前から・・・もしくは生まれ落ちた時から、彼女は自分の種族のあり方に、無意識下で反発や疑問を持っていたのではないでしょうか。
「支配」を絶対とし、それに忠実に従う種族の中で生まれ、従いつつも、どこかで隔絶を感じていた。
周りには同じ親から生まれた仲間がいて、数々の星を侵略し種族が繁栄しても、決して埋まることない孤独感。そういったものを感じていたのではないかと思うのです。
しかし、そんな中で生まれ、生活し、種族の絶対的な体制もある中では、その環境で生きていくしかない。自覚も、周りに例となる存在もいないから明確な疑問を持つこともできない。

彼女は生まれた時から無意識に、ギャブ・ファーの娘「グジュー」を演じていたのではないでしょうか。

つまりグジューが演じていた存在、記憶喪失の迷子の少女「クシューラ」こそが本当の彼女だと、私は思うのです。

動機はともかくとして、彼女がなぜ、記憶を喪失した少女として振る舞うことになったのかは描かれていませんが、私は、彼女が無意識に自分の立場と心情を表した結果そうなったのだと思っています。

表と裏は表裏一体。もちろんどちらも彼女であることには間違いないのですが。
最後に彼女が選んだのは、種族としてあることではなく、別の存在になりたいと願うことでした。

シェルドラドに降り立ち、そこで主人公たちと会って感じた疑問、違和感。
実際のところそれは、自分のいるべき場所・・・・故郷のようなものを見つけた。そう感じたがゆえに覚えたものだったのではないでしょうか。


ちなみにこのイベントで主人公は、クシューラの言葉に首を振ります。
台詞はありませんので、後の文脈から察するしかないのですが、
クシューラはそれを受けて、

私は思い違いをしていました。同じ立場の貴方がこうして沢山の仲間に囲まれているのだから、私も旅を続けて、私を待ってくれている人を探します。

と返します。
クシューラの返答を見るに、主人公は「一緒にいてくれる仲間がいるから」
とか、そんな風に答えたのだと思われます。それと同時に彼女を元気づけるようなことを言ったのかもしれません。
主人公は何も言わず、自分の言葉を否定した彼を見て何かを感じ、それを自分で解釈をしての言葉、という可能性もありますけれども。

この記事自体は、推測している部分を多分に含みます。
しかし、繁殖力としても組織としても強い種族の中心にいながら、彼女が何かに焦がれ、自分の周りにない何かを求めていたのは、間違いありません。
そして最期に彼女は、自分の望むものを見つけ、手に入れたのです。

シェルドラドに降り立ち、火の貝の勇者と出会い、死の直前になってようやく、彼女は彼女の望むものになれた。
最後の最後に、彼女は自分が居るべき場所を見つけられた。
「クシューラ」は探し求めていた記憶を取り戻し、迷子ではなくなったのです。

「あなたに会えてよかった」
「これでもう、ひとりぼっちじゃないね」




・・・・過去の記事で私はグジューを許せない。と書いていますが、今でもはっきりとそう言えるのか自信がありません。
ただ、彼女が変わったからと言って、彼女の罪が帳消しになるわけではありません。
むしろ、変わったからこそ彼女は今までの自分の行為を罪として認識し、苦しむことになったと思います。
これも過去に書いているのですが、彼女はこれからだと思うのです。
自分がこれまでやってきたことを悔やみ、たとえ償うことができなくて、苦しい道を歩むことになっても、
長い間孤独を彷徨い、居場所を見つけた彼女には、これからを生きて欲しかった。

彼女の最後の望みが、ギャブ・ファー側の存在でありながら、最後の最後まで主人公たちに同行したロボットが最後に言い残した願いと同じものだというのは、皮肉なようでいて、とても切ないです。


続きます。次回で最後です。


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Author:クロサキ
クロサキといいます。以前はmorganeと名乗っておりました。
なんてこたーない自堕落な日常を綴っています。
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