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【大貝獣物語】 番外編 グジュー ヒロイン説 その2

大貝獣物語という作品は、その1でも書いた通り、異世界の平和を取り戻すために、他の世界から勇者として召喚された少年が旅に出る・・・・という、一見すれば王道一直線なものなのですが、実際はそこら辺のホラー映画なんかメじゃないくらい恐ろしい話だったりします。

作中での舞台となる「シェルドラド」に召喚されて、最初に主人公が告げられる目的は、100年前に猛威をふるった魔王ファット・バジャーの復活の恐れがあり、その兆候が津波という災害として出ている。それを止めるために旅立ってくれ。というものでした。
しかし実際にシェルドラドを襲っているのは「魔王の支配」という、どこかファンタジックなものではなく、宇宙船に乗ってやってきた昆虫型異星人からの大々的な侵略です。
彼等の侵略の目的は至極シンプルで、侵略した星をそのまま自分たちのコロニーにするというもの。
まさにそのままの動機ですが、そこに住む人たちにとって、これ以上に恐ろしいことがあるでしょうか?

このことは、物語の終盤直前ぐらいになってようやく明かされます。
その時には、第二の災害がシェルドラドを襲い、最初の津波の被害で残っていた大陸のほとんども海に沈んでしまいます。この第一、第二の災害で壊滅した町も沢山あり、絶滅寸前に追い込まれた種族だっています。

このことだけでも災難の極みですが、それだけでなく、大陸の各地では彼等の手によって次々と住人が攫われていて、捕まった人たちは彼等の卵や生体基地の養分にされており、さらにその生体基地では、生体改造までもが行われているのです。
この生体基地はバイオベースといって、作中でダンジョンとして訪れることになります。

話の流れとしては、主人公がそこに捕らわれ、仲間達がそれを助けに行く。という形で訪れることになるのですが、そこでの光景は想像を絶します。

そのバイオベースは、植物を改造した生体基地となっていて、それを維持する為に捕らえられた人たちが、繭のようなものに包まれ、基地の養分にされているのですが、その人たちと会話することができます。
生気を吸い取られながら、はじめは気持ちよく、それが次第に苦痛へと変わり、最後には自我を失って完全に繭と溶け合い同化してゆく人々の苦しみの声を、ダンジョンの階層ごとに、親切にも段階を踏んで味わうことができます。
そこには老若男女関係なく、子供、動物もいます。
たとえ基地を無くしても、人々は既に繭として基地自体と同化してしまっているので、基地をなくせばその人たちも死んでしまいます。
どう頑張っても、すでに助けることはできないのです。


繭にされた人々のいる部屋を抜け、その奥に行くと手術台のようなものがある部屋に出ます。
そこに入るとテキストが出ます

部屋に入った瞬間
プーンと 血のニオイがした


その手術室の隣左右には生体改造され怪物となった人が入っているシリンダーがあります。
そこでもテキストが表示されます。
その中の一つでは


ひときわ大きな ガラスシリンダーに
生体改造を受けた 怪物が入っている


しかし
改造は 失敗したようだ…


・・・・・「RPG史に残るトラウマダンジョン」と称されるバイオベース。
これを作ったのがグジューです。

大げさなようですが、私はここで見たものを一生忘れないでしょう。

大貝獣物語の舞台となるシェルドラドはとても素敵な世界です。
序盤から自体が明らかになる中盤までにも、人の死が克明に描かれた容赦のないイベントはいくつかありますが、それでも、可愛らしいキャラクターに囲まれた楽しい冒険譚という印象を持って、プレイヤーは楽しく物語を進めてゆくと思います。少なくとも私はそうでした。

旅の終盤に見せつけられた、凄惨な光景のショックは今でも鮮明に思い出せます。
以前のプレイ日記の記事を見ていただければ解ると思いますが、その時はとても書けませんでした。
今だからこそ書けましたが、今回だって、いつだって、本当は書きたくはありません。

それでも今回書いたのは、グジューを、及び大貝獣物語を語る上では、このバイオベースのイベントは決して避けて通れないものだと思うからです。
犠牲になった人たちを忘れないという意味でも。

こんな、まさに地獄のような光景を見せられつつ、主人公を助けに向かうパーティーはもちろん、ほとんどのプレイヤーが、グジューを許せない気持ちで、全力で奥の部屋へと足を進めるでしょう。
そして、グジューを倒し、繭と同化していた人々と共に、バイオベースはなくなりますが・・・・グジュー自身は逃げてしまいます。
ここで、トドメをさせなかったことを、プレイ当時私は正直言って残念に思いました。
すっかり物語に感情移入をしてしまい、ほとんど彼女を憎んでいたから、倒して逃げられた時、思わず「ここで死なないのかよ!?」と口走ったのを覚えています。

ここまでだと完全に、憎むべき悪役としか思えないグジューですが、物語を進めると、次第に彼女に変化が起きます。
自らの行動に疑問を持ち始めるのです。

これは突然のものではなく、事前に伏線もあります。

グジューが本格的にストーリーに絡みだすのは終盤ですが、最初に登場するのはかなり序盤、しかしその時は正体を隠しており、記憶喪失の少女、クシューラとして主人公たちの前に現れます。
この時点では主人公たちはもちろん、プレイヤーも、その正体を知りません。

クシューラは、彼女自身や周りの人たちからの言葉からも解るように、記憶を無くしながらも懸命に生きようとし、やがて自分のことを知るために単身旅に出ることまでしてしまう、気の毒でどこか儚げながらも健気で芯の強い面がうかがえる少女です。
もちろんこれは、主人公たちを欺くための演技であり、正体を現した後の彼女の性格は、クシューラでいるときとは似ても似つかないものです。

そういう、裏切られた。という演出もあって、いっそうプレイヤーはグジューを憎むことになるのですが、
ゲームを終盤までプレイし、もう一度クシューラとしての彼女の言葉を思い返してみると、あながち・・・というよりも、実はその多くは本音を語っているということが解ります。
それはまた最後に・・・

グジューの、彼女自身の心理や、今までの環境も考えてみようと思います。

ゲーム中で明確に描かれているわけではないので、多分に推測も含みますが・・・

終盤での、彼女と父親であるギャブ・ファーとの会話から察するに、今まで彼女たちが侵略してきた星の生物は、彼女たち自身も含め、自我やある程度の防衛本能はあっても、シェルドラドや主人公のいた世界に住む人間達ほどの倫理観や倫理意識、もしくは情というものを持ち合わせていなかったのでしょう。

そんな中で生きてきた彼女だから、グジューはあのバイオベースを作る時にも、罪悪感はなかった・・というよりも何の疑いも持たなかったのだと思います。
人間が家畜を飼い、それを食物とする様に。もしくは邪魔だと感じる害虫を殺すように。
敵である存在を、最大限に利用して滅ぼし、自分たちの種属の繁栄のために命令通り懸命に働いた結果なのだと思います。

グジューは人間に対して残虐な態度を取ります。
主人公を拷問にかけるシーンでは挑発的な台詞で懐柔しようとしながらも容赦なく電撃を放ちますし、そこには同情の色は伺えません。なぜなら相手は敵だからです。自分たちの種族に仇なす存在だから容赦なんてする必要はありません。

ただ、彼女が人間に対して行っている自分の行為に違和感を覚え始めていることが、既にこの辺りから表れています。
それはもっと早い段階から、序盤でクシューラとしてふるまっていた時の台詞にも見られますし、拷問のシーンでは、どんなに苦痛を与えられても、自分に下ろうとしない主人公に対して、最後には拷問への躊躇を見せ始めます。

なぜ、実際にはいつから、彼女は自分の行動に疑問を覚えるようになったのか。

おそらく、シェルドラドに降り立ち、そこに住む人達と接触した時、もしくはバイオベースを作っていく過程で、彼女の中には何か違和感のようなものが生まれてきていたのだと思います。
ドグラーやゼニムといった悪人達の陰で暗躍していたのもあって、本格的に疑問を持つまでには至らなかったものの、それは確実に蓄積していった・・・この辺はホントに推測ですが。

主人公たちと、自分たちの味方であるのに彼等に触れ変容していくロボットを見て、彼女は自らの行動に、本格的に疑問を持ち始めます。
この辺りは物語の最後、ラストダンジョンでの最終決戦の中で、彼女自身の行動で持って明確に描かれています。

彼女の自分への、もしくは自らの種族に対する違和感・疑問の正体とは・・・・


さらに続く。
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クロサキ

Author:クロサキ
クロサキといいます。以前はmorganeと名乗っておりました。
なんてこたーない自堕落な日常を綴っています。
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