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グッドナイト・マミー


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質の高いホラー映画が観れて満足!!

と、言いたいんだけど……


去年あたりから海外サイトで存在は知っていて、それ以来ずっと観たいと思っていたのですが、今年初めにヒューマントラストシネマで行われた限定上映を見逃してしまい、昨日レンタル開始されたので即効で借りてきた次第です。

クオリティとしては期待以上の力作でした。

森や湖といった有機的な自然の風景と、モダンなデザインの無機的な別荘の対比をはじめとして、登場人物の心理と物語のムードを的確に捉え表現している絵画的な映像美の数々。
(木漏れ日降り注ぐ森、うっそうとした森林を映して深緑に染まった凪の湖、人骨放置の地下墓地、ブラインドの演出、ムシムシ大行進、やたらと不穏な街の雰囲気、すべて最高!!)。
容赦のないショッキングな描写、丁寧に積み重ねられた演出、俳優陣の抑制された演技。
そして、それらがもたらす全編途切れることのない緊迫感……どれをとっても一級品で、映画祭を賑わしたのも頷けます。

(※以下、決定的なネタバレはしていませんが、内容に触れているので、見る予定の方は読まないほうが無難です。)

本作、物語の核とも密接に結びついている、とある仕掛け(トリック)がほどこされているのですが、カンの鈍い管理人には珍しいことにオープニングで感づいてしまいました。
とはいえそれは、管理人のカンが冴えていたわけではなくて、撮り方がある映画にソックリだったんですね。そしてその仕掛けも同じ。タイトルやジャンルを言っちゃうとそれだけでネタバレになってしまうので言えないという……(記事の最後に貼っときます)
まあ、つまり作り手もオマージュとして確信的にやっているのですが、きちんと全編に工夫を凝らして演出しているので、元ネタを知っていた自分も観ている最中に飽きることはなかったです。
それと、別に元ネタを知らなくても、カンの良い方なら序盤か中盤で感づくとは思います。

そんなわけで、質も高いし面白いしで、文句ナシの逸品なのですが……

でもなぁ……個人的にはちょっと好きになりきれなかったです。

いや、当ブログの管理人は、好んでホラー映画を観てるような人種なので、露悪的な表現やアンモラルな描写自体にケチをつける気はもちろんないんですよ。むしろそれを求めている。
低俗と蔑まれ下層物とみなされがちなホラー映画(ジャンルムービー)を、ジャンル的な醍醐味や快楽はきっちりと押さえつつ、これだけ質の高いクオリティで作ってくれているのだから、むしろ感謝の気持ちが強いのです。

でも結果的には、悪い意味での後味の悪さを感じてしまった。というのが観終わっての正直な感想で……

なんと言えばいいのか、この上なく残酷で悲劇的な物語を語っていて、その語りも一流であるはずなのに、そこに語り手自身の底意地悪さ――ひいては、幼稚さを感じてしまったという後味……なんだろうこのモヤモヤは。

「露悪的かつショッキングな描写や展開を観客に見せつける」という意味での悪趣味や幼稚さはいいんですよ。膨大な数の映画から選別し好んで鑑賞している以上、そのことはこちらも前提として呑み込んでいる。それも望んでのことであることは前述のとおり。
そして、これも前述のとおり、今作は一本の映画として質が高い。
「露悪的かつショッキングな描写や展開を観客に見せつけ」つつも、それらは抑制されるべきところではきちんと抑制されている――今作はあくまでも、映画的な文法に則った語り口と演出でもって、画面上の緊迫感を生みだしている――つまり、映像作品としてはむしろ上品な作り。
語られているお話も実際のところ、切なく悲しい物語で、表面的な狂気や悪趣味をぶつけただけの作品では決してない……

でも、だからこそ、ラストがなぁ……
あの、冒頭のフッテージとラストの幻想の画を呼応させている構成と幕切れ。
あれは「巧い」し、余韻も醸し出している。
でも、残酷な悲劇の物語を、そうやって技巧的に閉じられてしまうと冷めてしまうというか……要は、優れた芸術作品がパッケージングをほどこされてしまったような、そんなあざとい嫌らしさを感じてしまったというか……
ぶっちゃけモヤモヤを整理できていない状態で書いているので、歯切れが悪いのはすみません。

個人的には、今作には、もっと虚無感に溢れたラストシーンがふさわしかったと思う。

暗い夜の森に、もしくはオープニングで映された一寸先も見えない闇のトンネルに、二人が、もしくはエリアスのみが消えていく……

とか。ダメ?

愛ゆえに傷つけあう母と子という悲劇の物語を、美しい映像と細やかな心理描写(エリアスがお母さんに火傷を負わせつつも、すぐさま軟膏を塗るシーンなんか、音楽も相まって不覚にも涙が出た。)だけでなく、ホラー映画としてのジャンル的な快楽も堪能できていただけに、あともう一歩……! という、個人的には非常に惜しい作品となってしまいました。

とはいえ、優れた作品には違いないので、管理人と嗜好がおおむね合致している方は必見かと思います。是非!!!

でもさぁ、いくら映画として質が高くて実際には格調高い物語だとしても、コレをアカデミー外国語映画賞に本国代表で出品するのはオカシイだろ! オーストリアの倫理観ってどうなってんだw
劇中のあんなシーンやこんなシーンの数々は、いくら映像が美しくてもヒドいものには違いないわけでw
少なくとも管理人は、同好の士以外にはオススメしにくいですw

ちなみに、トップに貼った日本版のポスターでは「あなたはどこまで耐えられるか?!」という惹句になってますが、管理人は一箇所だけ、どうしても耐えられなくて一度早送りしてしまったシーンがあったことを告白しておきます。ボンドを……


今作の(おそらく)元ネタ↓

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それとこれは「グッドナイト・マミー」のほうですが、本国におけるポスターデザインがナイス。

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Author:クロサキ
クロサキといいます。以前はmorganeと名乗っておりました。
なんてこたーない自堕落な日常を綴っています。
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