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「ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ」「ババドック ~暗闇の魔物~」「イット・フォローズ」……最近観た新作ホラー映画3本がどれも素晴らしかった!

ホラー映画ファンを自称しつつも、最近は「教養」のために往年の名作や評判の良い最新作を観るのに忙しい&近年のホラー映画はCGばっかりで手作り感に欠けている印象が強い。という、我ながら若干乱暴な理由と偏見により新作等はチェックできていなかったのですが、年末から今日までに観た3本のホラーがどれも最高だったので、今回かる~くですが、ご紹介したいと思います。

※核心部分には触れないように書いてます!


ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ
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まずはあらすじを紹介させてください。

女子高生であるマックスの母アマンダは売れない女優。
代表作といえば、20年前に出演した「血まみれのキャンプ」というスラッシャー映画のみ(それも三番目ぐらいに殺される犠牲者役)で、その映画のイメージの呪縛から逃れられないまま、シングルマザーとなっていた。
当然、生活は貧しいが、厳しい環境のためかしっかり者に育ったマックスと、苦境をものともしない明るい母は姉妹のように仲良しだった。
しかし二人でドライブ中、マックスのふとした不注意で交通事故が起きてしまい、母は帰らぬ人となってしまう……

それから3年。愛する母を喪った失意と自責の念から、いまだ立ち直りきれないでいるマックスだったが、親友の兄であるホラーオタクの友人に「今度『血まみれのキャンプ』のリバイバルをやるから、トークーショーしてくれない?」と無邪気に持ちかけられる。
当然、気の進まないマックスだったが、学校の課題を手伝ってくれるなら。という条件で引き受けることに。

友人と共に映画を観るマックス。冒頭、母が演じる役が殺されるという内容に辛い気持ちが蘇り退出しようとするが、スクリーンに母が映し出された瞬間、涙が溢れてしまう。

しかしそのとき、劇場内で火災が発生する。人ごみの中、マックスは友人たちと閉じ込められてしまった。
あそこから外に出よう。と、スクリーンを切り裂いて脱出を試みるマックスたち――しかしその瞬間、謎の光に包まれ気を失ってしまう。
目覚めたマックスたちは、どこかで見たことのある森の中にいた。一体何が起こったのか……戸惑うマックスたちの後方から、黄色いキャンピングカーが走ってくる。
どこかで見たことのあるその車はマックス達の目の前で止まり、助手席の窓から、やはりどこかで見たことのある女の子がにこやかに顔を出す。

「ねえ!キャンプ場はどっち?」

そう、なんとマックス達は映画の中に入り込んでしまったのだ!!
当然そこには、母のアマンダもいる。ナンシーという、マックスと同年代の女子高生として。複雑な再会に胸が締め付けられるのも束の間、彼女たちと過ごすにつれ、映画が終わらない限り、マックス達はこの世界から脱出できないと知ることになる。
しかし、展開通りに物語が進むということは、アマンダ演じるナンシーが殺されるということだ。
二度と母親を失いたくない。そう強く感じたマックスは、彼女を「ファイナル・ガール」(ホラー映画で最後まで生き残り、殺人鬼を倒す女の子)にするために、みんなと力を合わせ、殺人鬼ビリー・マーフィーに立ち向かう!
果たして、マックスは、彼女を守りきり、友人たちと共に現実世界へ帰還することができるのか……


……自分、このあらすじを聞いた時点で目が潤んでしまったのですが(笑)、実際の映画もとても素晴らしいものでしたよ!
「スクリーム」「キャビン」に続くメタホラー(脱構築)映画の良作だと思います。
とはいえ、上記2作と違い、完全にコメディに振り切っていて、全体的にのほほんとした作品になっていますので、鑑賞前のハードル設定には注意です。
ちなみに劇中入り込んでしまう映画「血まみれのキャンプ」、思いっきり「13金」ですw
ルック(画面)ははっきり言ってモロに低予算なのですが、画作りはきちんとしていますし、俳優の演技と脚本が非常に優れているため、ジャンル映画的なツッコミどころは多数ありつつも、コメディだからといってヘンにお茶を濁さず、スラッシャーとしてもドラマとしても見応えある作品に仕上げてくれています。
それに、キャラクターに対する目線が暖かいのもすごく良いんですよ。記号的な造形に合わせた即物的な見せ場だけで終わらせず、ちゃんと「生きている」人間として描き込まれているので、全員がそれぞれに魅力的。
演じる俳優陣もとても素晴らしいですが、やはり主演のタイッサ・ファーミガがひときわ輝いていました。
(名前からピンとくる人もいると思いますが「エスター」「縞模様のパジャマの少年」「マイレージ・マイライフ」のヴェラ・ファーミガの妹さんです)。
アメリカのコメディはたとえ大ヒット作でもほとんど日本では公開されなこともあって、残念ながらDVDスルーであった本作ですが、見逃すには本当にもったいない!
ホラー映画好きはもちろん必見として、みんなでワイワイ観るのにもとても楽しい映画のはずですので、是非!!

ちなみに、日本版DVDのパッケージはデザインもキャラのチョイスも配置も全て不適格というか適当で、内容を全く反映してないという……(ため息)

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ババドック ~暗闇の魔物~
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こちらは、かなりガチに怖がらせにきてるホラーです。
今作も日本ではDVDスルーですが、本国オーストラリアの映画祭をはじめとして、既に世界的には高い評価を受けています。観てみればそれも納得で、いち映画作品として非常にクオリティが高い。
だからといって、ドラマや芸術性に比重を置くあまり恐怖演出が弱くなっているとかでは全くなく、ホラー要素がシリアスなドラマと密接に絡んで、登場人物と観客を強烈に追い詰めていく監督の手腕は既に巨匠の域で、恐怖映画(ジャンル)としての醍醐味と映画的な快感を存分に堪能できる逸品になっています。
日本では劇場公開されていないうえに国内パッケージも若干残念なデザインですが、実際の中身は、安っぽさ一切ナシのガチな傑作です。
なので、演出・脚本・美術、いずれのセクションも褒めようと思えばいくらでも褒められる映画なのですが、やはり一番印象に残るのは、母・アメリアを演じたエシー・デイビスと、その息子サミュエルを演じたノア・ワイズマンの、主演二人の演技でしょう。
まず、ノア君なのですが、とにかく彼のが素晴らしいんですね。無邪気な子供にも、利発な美少年にも、「オメーはダミアンか」と突っ込みたくなるぐらいの悪魔的なホラー顔にも見える表情の数々が本当に凄い。
そのうえ、劇中のサミュエルは何らかの発達障害を抱えているという設定なのか、とにかく挙動が過激なうえに、ひとたび癇癪を起こすと子供特有のあのキーキー声で喚きまくるため、観客は劇中の母や周りのイラつきに容易に感情移入できるようになっています。
大人になる前に、もう2作ぐらいホラーに出て欲しいと願うばかりです。
そして、エシー・デイビス。この方はもう、オスカー級の名演と言って良いでしょう。
どちらかというと地味な、けれど善良なシングルマザーが、物語が進むごとに追い詰められて逃げ場を無くし、徐々に憔悴していく様は「レクイエム・フォー・ドリーム」のエレン・バースティンを想起させるほどの痛々しさと繊細さ。見ていて本当に気の毒に思えてくる。そして何より、この映画のメインディッシュにもなっている後半の爆発っぷりはもう筆舌に尽くしがたい。ネタバレになるので詳しくは言えないですが、個人的にはあのリンダ・ブレアや「エミリー・ローズ」のジェニファー・カーペンターもかくやという凄まじさだと思います(『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督も今作に絶賛コメントを寄せてたりする)。
それに、作中のキーとなる不気味な絵本のデザインもすごく良いですね。ティム・バートンやエドワード・ゴーリーの絵から、愛嬌さをいくらか抜いて、そのぶん悪意と不気味さを足したような、ひと目でガチに怖がらせてくるビジュアルが素晴らしい。
検索すると出てきちゃうので、怖がりな方は要注意ですよw
しかも英文字で検索すると、本家をより凶悪にした二次創作絵も出てきますw
しかし「不安の種」なんかもそうですが、死んだ目を見開いて笑っている顔って、どうしてあんなに怖いんだろう……

世界観やクオリティの高さは予告編からでも伝わってくると思いますので、まずはこちらを是非。

監督ジェニファー・ケントの新作が心から楽しみです。どのジャンルでも傑作をモノにできる実力を持っていると思いますが(実際すでにハリウッドからお呼びがかかっているらしい)願わくばもっとホラー映画を撮って欲しい。
ただ……あくまで余談ではありますが、この映画で個人的に唯一とても残念だった件に関して、この記事のうしろ~の方に書いてるので、鑑賞後にちらっと読んでやってください。



イット・フォローズ
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本国アメリカで、昨年もっとも高い評価を受け、また議論も巻き起こしたというホラー映画。現在日本でも公開中です。
監督のデヴィッド・ロバート・ミッチェルは、デビュー作の「アメリカン・スリープオーバー」がいきなりカンヌに出品されているという実力派で、世界的には、今作は彼の待望の2作目ということらしいですね(「アメリカン・スリープオーバー」は日本版DVD未発売)。
そのため、こちらもいち映画作品として非常に完成度が高い仕上がりになっています。「ババドック」と同じく、ホラー指数もきちんと保っているというのも本当に素晴らしい。
ただし、カンヌ絡みの監督ということもあって、その表現方法は一筋縄ではいかないものになっています。
「ババドック」は基本的に王道の枠組みの中で勝負していましたが、こちらは従来のホラーやエンターテインメントの枠にはめてみるとけっこう歪なバランス。
都市伝説的な設定、ジャパニーズホラーの影響も感じられる恐怖演出、カーペンター映画を想起させるシンセを多用した音楽……レフンの「ドライヴ」っぽい80’sオマージュな空気感を醸しつつも、時代設定の曖昧さと、デトロイトという廃墟の香り高い舞台も相まって、まるで悪夢を観ているときのような酩酊と官能性が全編に漂っている。
前述のカーペンターやレフンはもちろん、アルジェントの映画にも近いムードを感じました。
そしてそのいっぽうで、とても切実で繊細な青春映画でもあって……
静謐でありながら緊迫感に溢れ、日常と非日常が融けて交錯する映像と、様々な要素が幾重にも重なり・幾線にも編まれたアンビバレント。
これがこの監督の作家性なのでしょう。

こちらも予告編からしてクオリティの高さを感じられると思いますし、実際自分もとても心動かされたのですが、できれば見ないで劇場に行って欲しいです。


目玉の恐怖シーンけっこう見せちゃってるので……
あと、これは宣伝上致し方ないですが、上記のとおり結構アーティスティックな作りにもかかわらず、直球のB級ホラーな感じで編集されています。これはこれで好きなのですが。


とりあえずこんな感じですね。
今回ご紹介した3作に共通しているのは、ジャンル的な快楽をきっちりと意識しつつ、ドラマ作品としても見ごたえのあるハイブリッドなものに仕上がっているということでしょうか。
この3作のおかげで、ひさしぶりにホラー映画熱が上がってきています。
どれも必見の出来かと思いますので、自分の拙い紹介でも興味を持ってくれた方は是非ご覧になってください!

次はデル・トロの「クリムゾン・ピーク」だ!










【ババドックの微ネタバレ】



バクジーに生き残ってほしかった……
っていうか、ちゃんとお墓作ってよ!
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クロサキ

Author:クロサキ
クロサキといいます。以前はmorganeと名乗っておりました。
なんてこたーない自堕落な日常を綴っています。
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