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レビュー

新宿鮫


shinjuku (2)

※決定的なネタバレは避けていますが、後半の展開に触れています。
まあなんというか、言わずと知れた警察小説の傑作。今更ながらに読んだ次第。
それゆえに、あまり言うことがない。警察小説もしくはハードボイルドというジャンルに造詣が深ければいろんな切り口で語れるんだろうけど。

キャラクター・ストーリーをはじめとした各要素の完成度が高く、それらが過不足なく有機的に絡み合い、全編に緊迫感を持続させていて文句なしに面白い。まさにベストセラーになるべくしてなったという感じ。
解説で北上次郎先生が書かれている通り、ご都合主義的な場面もいくつかありますが、これもまた書かれているとおり、十分許容範囲内でしょう。
というか、はぐれ刑事の相手役としてはヒロインの設定がイケイケすぎると思うんだけど、それさえも長所にしているあたりに技量を感じる。

なので個人的にグッときたところ。
犯人の動機と、そこに至るまでの過程と背景。ここが素晴らしい。
なんというか、あらゆる意味でやりきれなさを覚えるような動機なのだ。
真相にたどり着いたのは鮫島だが、中盤での捜査本部の推察はある程度正しかった。
犯人は正義に裏切られたから、警察を襲った。
だからといってその動機と背景は、単に悲しいとか切ないとか、そういった風に読者がストレートに同情できるようなものではない。
私怨や思い込みも入り混じっている。でも、犯人が正義に、世界に、不当に傷つけられていたのもまた事実だ。
そういった人は現実に沢山いると思うし、そういった心理は毎日のようにどこかで生まれているとも思う。
(ざっくり言えばこの作品、新宿版『タクシードライバー』。だから当然、自分なんかは思いっきり感情移入してしまった)
でもそういった思いも、それを抱える人間も、都会の人波の中に埋没していくし、仮に日の目を見たとしても、大衆から純粋な目線で見られることはないだろう。
そんな犯人の心の動きに気付ける鮫島というキャラクターはやはり魅力的だし応援できるし、そういった些細だけど切実な感情を世界から汲み取れる大沢在昌ってすげぇな。と思わざるを得ない。
しかもその動機って、主人公と新宿という街(舞台)の負の映し鏡でもあるんだよなー……恐ろしいことに。だから作品全体がクライマックスできちっと締め上げられている。

ネタバレ回避のため、曖昧な文章で何が何やらな感想になってしまっていますが、少しでも興味を持っている人は読んで損はしないし、もし娯楽小説が好きでまだ読んでいなかったら一生のうちには読んでおくべきだよ。と、さらりと言えてしまう作品であります。今更言うのは恥ずかしいけど、もしまだ読んでない人はオススメです。
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