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レビュー

映画 けいおん!

じ

まさか自分が『けいおん!』の記事を書く事になるとは(笑)
同僚にオススメされて、TVシリーズを特急で予習して、新宿にて滑り込みで観てきました。
それはともかく、TVシリーズ共に、素晴らしい作品だったと思います。

以下、TVシリーズおよび映画本編の内容に触れています twitterでの自分のツイートとリプライの寄せ集めのような記事になってますがご容赦を。
いやはや、TVシリーズのファンの方からしたら、完璧に近い出来じゃないでしょうか。
相変わらずの丁寧な作りに、感心することしきり。

自 分のようなにわか視聴者が、本編中のディテールに言及するのは恐れ多い・・・というか本当に怖いし、とてもじゃないけどファンの方には敵わないので(公開 から5ヶ月近く立ってるのに、劇場の熱気が凄かったw)、その辺は省きますが、監督はじめスタッフの職人的な仕事ぶりと、ベテラン吉田玲子さんの脚本が光 る秀作であったと思います。

いち映画としてみると、中弛みを感じた箇所もあったのですが、あの独特のゆるいノリこそ『けいおん!』であって、起承転結や緩急でガチガチに固められた展開を求めるのは筋違いというもの。
「中 弛み」といっても、冒頭の『光』とOPの『いちばんいっぱい』で掴みは抜群だし、本編中の主な流れの一つである『天使にふれたよ』制作過程の処理は非常に 巧みで、TVシリーズを見ている人・見ていない人両方を物語の最後まで引っ張るリーダビリティとして機能している(こちらのブログ様でも考察されていま す。アニメと漫画と音楽と)。
とはいえ、ともすればOVAでもできそうな作りですが、そこはロンドン旅行というスケールの大きさが、劇場でお金を払って観るに相応しいゴージャスさを作品に付与している。
ファンの方達からは絶賛。初見の映画ファンの方達からもそれなりの評価を得ているのにも納得の秀作。
同僚が既に○○回観てる。と聞いたときには若干引きましたがw、この完成度なら納得。個人的にもとても面白かったです。

ただ・・・映画として欠点だと感じる箇所も確かにある。というよりこれは、TVシリーズからの個人的な不満なんですが・・・
四人とも同じ女子大に合格!という、2期後半の展開は、ぶっちゃけどうなんだろうということ。

確かにその方が幸せなんですが、この展開が、TVシリーズでのいくつかのエピソードおよび映画での緊迫感や感動を半減させている気がしてならない。
つまり、どういうことかというと、通常、「卒業」「先輩から後輩への最後の贈り物」という儀式や展開があるなら、そこから、「別れ」「かけがえのない時間に対する惜別の情」といった、切なさとそれに伴う感動が創出されて然るべき。というのが、物語のセオリーだと思うからです。
もちろんこれは絶対ではないし、TVシリーズの最終回および映画本編の中で、そういった要素が全くないわけじゃない。
そもそもそういうのは『けいおん!』じゃないよ。と言われれば、そりゃ最もだな。とも思います。
けど、あの四人の三年間をシリーズ通して見守ってきて、最後に「卒業」という節目を彼女たちが迎えるのなら、そこに「切なさ」や「感動」といった「美しい展開(有終の美)」が欲しかった。と思います。
それは別にお泣かせ系直球の演出が最終回に欲しかったとかではなく、そういった「終わり」がなければ、軽音部の些細な、けど限りある、かけがえのない日常やあのゆるい空間が、「かけがえのないもの」ではなくなってしまう気がしたからです。
同じような日常を選択した彼女たちの未来に思いを馳せるのは難しい。
そのため、作品としての締まりが感じられず、鑑賞後の感慨が乏しかったのは否めない。
なので、個人的にはどうしても「傑作」とは評せない。

いや、それはそれで良い。自分も視聴中は『けいおん!』という作品のあの独特のゆるさに癒されていたわけだし、そういったノリで最後までいくことは、前述の「四人揃って合格」という展開がTVシリーズ終盤で成された時点で既に解っていたこと。
2期ED『No,Thank You!』の歌詞もそうだし、そもそも映画のキャッチコピーだって「わたしたちはいつまでも放課後です。」だしね。
だからこそ、そのうえで個人的に強く思うのですが、この作品にこれ以上の展開はいらない。
原作漫画で展開しているらしい「大学生編」ははっきり言って蛇足だと思います。

『けいおん!』という作品のあの独特のゆるさ、ぬるま湯のような心地良さと雰囲気は、「高校生」「放課後」「部活」「制服」「女子校」etc.・・・といった要素と条件があってこそ生まれる空間、一種の理想郷だと思うからです。

大学生になっても、あの五人でまたお話は作れるでしょう。でもその作品の中にいる「放課後ティータイム」は、メンバーが同じでも全く違う空間を作っているだろうし、全く別の作品になると思います。
というより、全く雰囲気を崩さずに物語を展開させるとしたら、大学生の4年間も、女子大で、あの一種の男子禁制的な空間に、彼女たちが留まり続けるわけで・・・「それはないだろ」というのが正直な気持ちです。
だからといって同年代の男子キャラを出すのは・・・個人的には男女比が均等なアニメの方が好きなので別に構いませんが(『けいおん!』で何が残念って聡の出番が少なかったことですよ、りっちゃんとの絡みがめちゃめちゃ可愛かったのに・・・作品上仕方ないんだけどさ。ショタコンです切腹)、ファンの方達は唯たちに彼氏が出来ても平気なんだろうか。
もしアニメでも大学生編(3期)を制作するとすれば、無理やりにでもあの空間を創出し続けるとすれば、・・・出来上がるのは、ひどく歪な「サザエさん時空」的なアニメだと思います。作中の時間は流れているのに何のタイムリミットもない異様な日常。

この作品、自分の周りだと、女性ファンも多い作品で、見る前は不思議だったのですが、見てからは納得しました。
栗山千明神がラジオで「こんな青春送りてぇええ」と言っていたらしいですが(http://yunakiti.blog79.fc2.com/blog-entry-5582.html)まさにその通りで、この作品で描かれているのは理想の日常であり、一種のファンタジー。
「男性も、女性も、それこそオタクでない人達でも、極上の萌えと居心地の良さを感じることのできる不世出のアニメ」というのが個人的な『けいおん!』観だったのですが、それが成立するのは、彼女たちが「高校生」の時までだと思います。

・・・なんか不満点ばっかり書いていますが、前述のとおり、作品自体は映画含め素晴らしいものでした。
個人的にどうしても男子禁制アニメ(その逆も)が苦手で、絵は非常に好みなのに今まで視聴せずにいたのですが(だから未だに『lain』や『灰羽連盟』『まどマギ』を見ていない)、ここまで人気なのも納得のアニメーション。

・・・あまり関係ないけど『ラブラボ』もこのクオリティでアニメ化してくれればなぁ・・・
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連載開始が2007年なので、時期的にパクりではないと思うけど、『けいおん!』との共通点がちらほら。まぁ全然別の作品ですけど、さりげなくオススメです。

※追記。
宇多丸師匠のシネマハスラーでの批評が素晴らしいので載せときます。
ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル
細部での見解は違いはあれど(自分はもう「『けいおん!』という作品はこれこそが完成形だと思うことにしていて、だから「続きはありえない。作ってしまったら全く別の作品になる」思っているので)、自分の言いたいことを言ってくれていてスッキリ。頷きっぱなしの30分でした。
まぁ師匠の方が密度も考察力も解りやすさも10倍ぐらい優れているのは言うまでもないですが。

※更に追記
いや、ちょっと違うか。「続きはありえない」というのはあくまで作品・評論的な目線で見た場合のことで、個人的には別にあってもいいと思っている。師匠が言っていたように、それはそれで、どう作られるのか・どうなっていくのか見守るのも面白い。
けど上述したように、軽音部のあの癒しの空間が同じように再現されるとは、個人的には考えにくい。
同じような空間を再び創造しようとするなら、それは歪なモノに変質してしまうと思う。
どういった作品作りをしていくのか。
そこで出来上がるものは、果たして皆が愛した『けいおん!』なのか?
あの「ぬるま湯」のような空間はあるのか?
純粋に彼女たちを見守っていきたいと考えている人たちはともかく(けどそういった人達は2期後半の展開についてどう思っているのだろう)、彼女たちに「萌え」を感じている男性ファンはそれでいいのか?
・・・ということを自分は言いたかったのかも。
よく解らなくなりましたね。
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Author:クロサキ
クロサキといいます。以前はmorganeと名乗っておりました。
なんてこたーない自堕落な日常を綴っています。
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