ブレードランナー

2019年のロサンゼルス。環境は破壊され、人類は宇宙の植民地へ移住するか、人口過密の猥雑な高層ビルで生活するかを強いられていた。植民地開拓の最前線では遺伝子工学で作られた人造人間“レプリカント”が強制的に働かされており、地球へ脱走してくる事態が相次いでいる。その脱走をしてきたレプリカントを処理するのが“ブレードランナー”の仕事である。元ブレードランナーのリック・デッカードは職業から足を洗っていたが、馴染みの警視に依頼されたことにより、逃亡してきた最新型レプリカント“ネクサス6型”4体を追うことになる。しかし、その捜査の過程で出会った同じくネクサス6型のレプリカント、レイチェルと出会ったことでデッカードの運命は大きく変わり始める……
1982年に公開されたリドリー・スコット監督によるSF映画。公開時こそ興行・評価ともに恵まれなかったものの、その美術と世界観、謎が謎を呼ぶストーリーなどが次第に支持を集めてゆき、映画界のみならずあらゆる分野に革命をもたらした金字塔的作品である。
35年ぶりの続編が公開されるということで久しぶりに見返してみたが、前に観たときよりも数倍楽しめた。猥雑かつレトロフィットな未来のガジェットと、そこにはめ込まれたあらゆる時代の装飾と建築。時には毒々しいネオンで、時には絵画のように美しい黄金色の光で画面を彩るライティング。サイバーパンクな世界観と哲学的なテーマを支え、盛り立てる音楽。それぞれに違った魅力を放つ三人の美女。そして、人間として、生命としての在り方を時代を超えて指し示す、「堕天使」ロイ・バッティの最期……
また、自身の存在意義を揺るがされる瞬間を収められたヒロイン――レイチェルの存在も大きい。彼女がデッカードの部屋で髪をほどき、ピアノの前に座って物憂げな表情を見せるショットには、筆舌に尽くしがたい美しさが宿っている。
猥雑と幻惑の世界の根底に流れている力強く美しいメッセージに圧倒された。多作の中で何度も映画界に革命を起こしてきたリドリー・スコットだが、彼の作品の中でもベストフィルムの内の一本だろう。
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この記事へのコメント
さくら様、コメントありがとうございます。
リンク先を拝見させていただきました。
たいへん恐れ入りますが、当サイトとは趣旨が大きく異なるようですので、相互リンクはお断りさせていただきます。
申し訳ございません。
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- さくら - 2017年10月28日 08:33:29
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